・・とある日、A君が特許事務所のことについて知りたいと思い、翼国際特許事務所にやってきました。
A君:
特許事務所は、簡単にいうとどんなところですか?
所長:
そうだね。一言でいうと、生まれたばかりの「発明」を、権利として社会に生かせるように育てる場だよ。
「発明」を生かすためには、特許庁において保護(権利化,維持)されるようにしなければいけないけれど、そのためには、特許法上の要件(特許要件)を満たす必要があるんだね。「発明」がこれら要件を満たすよう、その本質を理解し、法律的・技術的な知識、および経験に基づいた創作的能力を発揮して付加価値を付ける、これが特許事務所の役割。従って、技術だけでなく法律的知識も学ぶ必要があり、また、知財の仕事はグローバルなものだから、外国へ出願することも多く、語学力も必要になるよ。
A君:
なるほど、グローバルな仕事なんですね!
ところで、僕は技術系ですが、必要な適性としてはどのようなものがありますか?
所長:
そうだね。最低限必要なのは、論理的に文章が書けることだよね。「発明」という抽象的なものを文章に表現したものが「明細書」だけど、侵害訴訟等の裁判では、その表現の善し悪しが判断に大きく影響するんだ。従って、かなり緻密さが要求されるので、これが苦手であれば、適性がない・・・、だね。
A君:
う〜ん。僕はどうかな〜。ところで、キャッチフレーズに「大いに遊ぼう」とありますが…。
所長:
「遊ぼう」は「遊び」からきてるんだ。ここに電子辞書があるから「遊び」の意味を調べてくれるかい。いくつかあるけれど、どれと思う?
A君:
「遊びに興じる」、・・・・、「ハンドルのあそび」等々…。
所長:
「遊び」も大事だけど、仕事では「あそびを持ちましょう」ということなんだね。
車もハンドルにあそびがないとスムーズな走行はできないし、ゴルフも膝にゆとり(あそび)を持ったスイングをしないと、安定したショットが出ないよね。剣道でも然りで、竹刀を固く握っていると、即妙の技が出ない。
仕事も同じ。「あそび心」がなければ、先に言った「発明の本質」がつかめず、本当の意味でのいい仕事はできないと思っているんだ。特許の仕事は緻密さが要求される専門職であり、ややもすれば自己満足に陥りやすい人が多いので、当所所員には、「心のあそび」をもちつつ研鑽を積んで欲しいとの願いを込めているんだ。これが翼の精神「大いに遊ぼう」の意味なんだ。A君にはまだ、実感しにくいかも知れないけれどね。
A君:
う〜ん、何か特許哲学っていう感じですね……。
では次の質問。特許事務所には、どのような仕事をする人がいるんですか?
所長:
まず、我々弁理士を始めとして、弁理士の補助をする技術スタッフ、国内や外国の出願関係の事務を担当する事務スタッフ、外国出願をする際の翻訳を担当する翻訳スタッフ、特許や意匠の出願書類における図面作成を担当する図面スタッフ、などがいるんだ。ちなみに、巷では、「 弁理士」 は「 便利士(便利屋)」 とよく間違えられるけどね…。
A君:
そうですね(笑)。初めて聞くとそう思いますよね…。では、特許事務所には、一般的にだいたい何人くらいの人がいるんですか?
所長:
そうだね、少ないところでは、2〜3人くらいだし、中規模のところでは、10〜20人程度だし、大きいところでは、会社みたいに100人以上のところもあるね。
A君:
こちらの事務所はどれくらいの規模ですか?
所長:
そうだね。今は20名程度の中規模かな。所長と副所長を除いてははみんな若いよ。大事務所,小事務所それぞれいい点もあるけれど、これぐらいの人数だと、まとまりもいいし、いろいろな人に意見も聞けるので、いいんじゃないのかなー。
A君:
事務所の雰囲気はどのような感じなんですか?
所長:
それは入ってからのお楽しみ…っていうのは冗談で(笑)、一般には、各人がパソコンに向かって仕事をしているので、静かな感じだね。入所してみて、あまりにも「 シーン」 としているのでビックリした、という人もいるようだよ。
A君:
なるほど。今日は、本当に有り難うございました!
最後にひとつ。所長さんは、弁理士になってよかったですか?
所長:
・・・・・・
(お終い)


